ひきこもり科学館

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成人式って何の意味があるの? 別に、行かなくてもよくない? ~成人式に「行きたくない」人へ

何か、そう遠くない将来、成人年齢が引き下げられるようですね。

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それに合わせて、成人式をいつやるのか、18か、20か?とか、いろいろ話題になっていますね。それで、私も成人式について、ちょっと思うところがあったので書こうと思います。

大学では、毎年冬になると成人式が話題になります。「◯◯さん、成人式行く~?」とか、「振袖どうする~?」とか、そんな話が聞こえてきます。しかし、私は当時、成人式には行きませんでした。周囲の友人はみんな行くにも関わらず、行きませんでした。そのためか、後になって「行かなかったよ」と話すと、結構驚かれたような覚えがあります。「え~、何で?」とか。しかし、そんなに驚くようなことですかね。私には、みんなが揃いも揃って行くことの方が驚きなのですが…。今一度、よく考えてください。成人式って、何のために行くのでしょうか?ここで口ごもる人は、「何となく」とか「みんなが行くから行く」とか、そういうことではないでしょうか?とはいえ、こういう人って結構多いような気がします。今、改めて考えてみると、私が成人式に行かなかった理由も単純なものです。それは、単に「行く意味が見当たらないな」と思ったからです。

 

◯ そもそも成人式って何?どういう意味があるの?

そもそも成人式って、一体どんな式なのでしょうか?何か、深い意味のある式なのでしょうか?少し立ち止まって、考えてみましょう。ただし、より広い視野でみるために、ここでは成人式ではなく「成年式」として説明します。

成年式は、社会から大人(一人前)として認められるための重要な儀礼です(日本の成人式もその一種です)。この儀式を通過することで、初めて大人(一人前)としての権利を獲得し、義務を負うことになります(もし通過できないと、社会的落伍者とされてしまいます)。そのため、世界のいずれの地域・社会においても、成年式は極めて重要視されているのです。さらに、地域や社会によっては、成年式で厳しい肉体的・精神的試練を課すこともあります。

なお、一般に成年式には、次の3つの重要な側面があるとされています。

① 社会の一人前の成員になること

社会から、大人(一人前)として認められます。それに伴って、(狩りのリーダー、祭りの進行役など)重要な役職・地位につく権利を得たり、様々な意思決定を行う権利を得たりします。一方、その権利に相応の義務や責任も生じます。

② その能力を試すための一定の試練を受けること

様々な肉体的・精神的試練を受けます。なかには、サメを素手で捕まえる(パプア・ニューギニア)、高い櫓から木のツルでバンジージャンプ(バヌアツ共和国)など、命がけの試練を課す事例もみられます。

③ 結婚が許されること

社会から、結婚する資格を持つと認められます。逆にいえば、成年式を通過できない者は社会的落伍者とみなされ、結婚もできなくなります。

 

◯ 成人式に意味って…、なくない?

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(1) 日本の成人式には、大した意味がない

先ほど述べたように、成年式(成人式)は社会から大人(一人前)として認められるための重要な儀礼です。しかし、今の日本の成人式には、本来の成年式のような重要な意味があるのでしょうか?先ほどは、成年式には①社会の一人前の成員になること、②その能力を試すための一定の試練を受けること、③結婚が許されることの3つの側面があることを述べました。しかし、今の成人式には①はともかく、②や③の側面は全くもってありません。もちろん、サメを素手で捕まえろ、などと言うつもりはありませんが。しかし、それにしたって、今の成人式はかなり軽いのです。「おめでとう~!あなたはもう立派な大人だよ!」というノリなのです。こんなノリでは、大人になったという自覚が持てるかどうか、はなはだ怪しいものです。

(2) 20歳になったからって、何が変わるの?

日本の成人式には、大した意味はありません。しかし、それでも「大人になったことを自覚する」という点では、わずかながらも意義があります。しかし、現代日本社会において、20歳(法改正後は18歳かな?)に達することが何の意味を持つのでしょうか?20歳の誕生日を迎えた瞬間、「あぁ、大人になったなぁ~」と感じる人が、どのくらい存在するでしょうか?私には、気付いたら20年生きていた(あるいは過ぎていた)、というような感覚しかありません(そもそも、20歳の誕生日を境にある日突然大人になる、というのも不自然ではないでしょうか)。

20歳になって変わることって、何があるのでしょう?思い付くのは、酒が飲めるようになること、タバコが吸えるようになることくらいです。後はせいぜい、ちょっと詐欺に狙われやすくなることくらいです(契約の「取消し」ができなくなるので)。全くもって、何てことのない変化です。日本においては、20歳という年齢はあまり意味をなさないように思います。

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はっきり言います。日本の成人式は、ほとんど意味がありません。無味・無臭・無意味です。その有り様は、空虚でハリボテのようなものです。

 

◯ 成人式に行く理由が…、なくない?

とはいえ、同窓会など他のインセンティブがあれば、どうにか行ってみようかとなるものです。しかし、私の場合、いいのか悪いのか、そんなものはほとんどありませんでした。


(1) 同窓会は、また別の機会があるし…

成人式の後、多くの場合は同窓会が開かれます。なかには、これを目当てに成人式に行く、という方もいることでしょう。確かに、昔の友人・知人の姿をみる、というのは割と面白いかもしれません。しかし、単なる同窓会であれば、数年後にまた開かれるはずです。わざわざ成人式にこだわる必要はないでしょう。


(2) そもそも、会いたい人っている?

成人式は、昔の友人・知人に出会うよい機会です。しかし、それは会いたい人がいれば…の話です。私の場合、小中学校の同級生で会いたい人なんていません(当時のヤンキーとか、いじめっ子とか、会いたくない人ならそれなりにいますが…)。会ったところで、「何を、今さら…?」というような人ばかりです。

 

(3) 女性は振袖があるけれど…

成人式では女性の場合、振袖を着ることが多いです。なかには、振袖を着るのが楽しみで楽しみでたまらない!という方もいることでしょう。それはそれで、大変結構なことです。しかし、男性の場合はどうでしょうか…?―はい、スーツです。はっきり言って「つまらない」です。スーツなんて、会社勤めをすればいくらでも着ることができます。嫌でも、着ることができます。非日常感ゼロです。もう、あまりにも「つまらない」ので、私も振袖を着ていこうかと思いましたよ。

ただ、振袖があればいいのか、といえば、そうでもないかもしれません。女性のなかには、振袖が高いとか、面倒くさいとか、そういう理由で「行きたくない」方もいることでしょう。

 

(4) わざわざ、地元に帰るのが面倒

20歳のころは、就職や進学によって地元を離れている人が多いものです。かくいう私も、地元から遠く離れた、九州の大学に進学していました。そのため、いざ帰省しようとすると、いつも「1日仕事」になってしまい、非常に大変でした。さらに、成人の日というと、大学の冬季休業はすでに終わっています。そのため、講義の欠席を避けるには「とんぼ返り」しなければなりませんでした。そうなると、よほどのインセンティブがない限り、成人式に行こうという気にはなれません。それで私は、(それほどの)インセンティブはないな、と判断した訳です(*)。

*今後、成人年齢の引き下げに伴って、成人式が18歳対象に変わった場合、この話は大きく変わります。その点、ご承知願います(まだ、どうなるかは分かりませんが)。

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うーん…。いろいろ考えてみましたが、やっぱり行く理由が見当たりませんね。ないです。はい。ないです。

 

◯ 結論:行きたくなければ、無理に行かなくていいよ

以上ような理由から、私は成人式には行きませんでした。しかし、そのことを後悔した経験は全くもってありません!その後の人生において、不利益を被ったことも一切ないです(せいぜい、一時的に友達との会話に付いていけなくなるだけです)。はっきり言って、行っても行かなくても大して変わらないです。無理に、周りの人に合わせる必要なんかありませんよ。行きたいのか、行きたくないのか、自分でよく考えて決めてください。もちろん一生に一度ですし、少しでも気になるというのなら、行ってみるのもアリでしょう。しかし、行きたいと思わない人、もっと大事なことがある人は、無理をして行くようなものではないと思います。といったところで、今回はこのへんで…。