世のなか、大学院と言ってもたくさんあります。では、そのなかから、実際に受験する大学院を選ぶには、どうすればいいのでしょうか?―まぁ、人によっていろいろあるでしょうが、私なら、その判断基準として次の3つのポイントを掲げます。なぜなら、この3つを押さえておけば、少なくとも大きな失敗はないと思うからです。という訳で、ここからは、その3つのポイントを順に解説していこうと思います。これを読んで、ぜひとも自分に合った受験校を選び抜いてください。
① 自分のやりたいことができるか
大学院へ進学する目的は人それぞれだと思います。
例えば、
- 研究者になりたい
という王道を目指す人もいれば、
- 学校の教師になりたい(専修免許がほしい!)
- シンクタンクに就職したい
- 就活をやり直したい
- モラトリアムがほしい
という人もいます。
したがって、できるだけ、それぞれの目的が達成できそうな大学院を選ぶといいです。研究者を目指すならそれなりに輩出実績のある「ガチ」な大学院を、学校の教師を目指すのなら教員養成向けの大学院(教職大学院など)を、モラトリアムがほしいのなら「忙しすぎない」大学院を…、というように、それぞれの目的に合わせて受験校を選ぶことが大切です。
ただし、大学院はあくまで研究をする場所です。どんな目的で進学しても、研究をして一定の成果を出さない限りは卒業できません。よって、どんな目的であっても「自分のやりたい研究ができるか」は、よく確かめておく必要があります。
- 自分が研究したい分野に近しい教員がいるか
- 十分な研究設備や蔵書があるか
- 教員や院生、卒業生に十分な研究実績があるか
などをチェックしてください。このあたりに問題がなければ、研究の環境としては大体OKだと判断できます。
② 教員(特に指導教員)とタイプが合うか
大学院において、教員との人間的な相性は結構重要です。ときに、このことが退学の原因になったりもします。それだけ、教員と馬が合うかどうか、は大事なのです。大学院は、教員と馬が合えば気持ちよく過ごせますし、合わなければしんどくなります。それによって、研究のはかどり具合も大きく変わるかもしれません。特に、指導教員になる可能性が高い人との相性はよく見極めてください。なぜなら、(程度の差こそあれ)指導教員とはどうしても顔を突き合わさなければならないからです。それがもし、「生理的に受け付けない」人だと非常にツラいことになります。オープンキャンパスや研究室訪問によって、気になる先生がどんな人か確かめてみましょう。ピッタリ合う必要はありませんが、何かダメかも…、と思った場合はちょっと再検討です。人間的な相性なので、一度、二度会っただけでは完全には掴めませんが、少なくとも大きな失敗をする可能性はグッと減らすことができます。
③ 入試に合格できそうか
たとえ、どんなに「入りたい!」と望んでも、大学院は入試に合格しない限りは入れません。よって、「入試に合格できそうか」は、現実的に考慮する必要があります(入試までの準備期間が短い場合は、特にそうです)。各大学院の過去問を取り寄せて、実際に見比べてみてください。ここは「割とできそう」「難しそう」など、それぞれ感覚が異なるかと思います。その感覚を大事にしてください。実際、各人の得意分野などによって、入りやすい大学院・入りにくい大学院があります。過去問を見て、「イケる」と思ったところは大体イケます。その逆もまた然りです(ただし、最初から諦める必要はありません)。
また、募集要項で専門科目や外国語科目、面接等の配点も確認しておくといいです。英語が苦手なら、英語のウェイトが低いところを選べばいいでしょう。逆に、英語が得意なら、英語のウェイトが高いところを選べばいいでしょう。なお、近年は大学院入試も多様化していて、一般入試以外にもさまざまな方式の入試が行われています。それらも確認して、自分に最も有利な方式で受験してください。
以上、書いてきました。これを参考に、自分に合った受験校を選んでいただければ、幸いです。それでは、今回はこのへんで。