ひきこもり科学館

つれづれなるままに、ひきこもり、硯にむかひて

ちょっとおかしな就活用語5選, その違和感の正体は?

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就活用語。就活(転職含む)になると急に出てくる、特殊な用語(あるいは概念)です。具体的には、志望動機、自己PR、キャリアプランなどなど…。皆さんも、一時期「あ~、何かよく耳にしたな(今は聞かないな)」くらいの覚えはあるかと思います。で、これらの用語。皆、何気なーく使っているものの、何かおかしくない?と思うことが多々ありまして。ちょっとその違和感について、考えてみたくなりました。別にこんなことをしたって、内定に近づく訳はないのですが。就活でモヤモヤした思いを抱えている皆さんには、何かしら琴線に触れる部分があるんじゃないか、と思いまして。うだうだと考えてみた次第です。今回取り上げた用語は、

・志望動機
・自己PR
・空白期間、ブランク
・社会人
・(キャリアや経歴に関して)傷、汚い

の5つ。どれも頻出、まぁよく耳にしますね。この5つの用語に関して、ちょっといろいろ思うところを書いていきます。皆さんも、共感するところがあるかもれません(ないかもしれません)。それでは、はいスタート。

1. 志望動機

重い、重すぎる。志望動機って重すぎる…!だって、志望動機って…「志して望む」動機ですよ!志して望むんですよ!何たる崇高な、高邁な意思。それを、こんなに軽々しく求めてくるなんて…。私には畏れ多くて、とても口にはできません。いや、ホント…。志して望まないと、働いちゃダメですか?もっと、ふわっとした動機で動いちゃダメですか?人間って割とこう、ふわふわした生き物なんじゃないの?

あとですね、根本的な話なんですが。正直、志して望むほど、御社のことを知りません!ぜーんぜん知りません!!だってね。私の持っている情報、ホームページと求人サイトくらいしかないんですよ。そこに載っている、薄っぺらーい情報しかないんですよ。それで志して望む、崇高な、高邁な意思を形成しろ!というのは…。ちょっと、要求レベルが高すぎません?という話でして。

そりゃまぁ、いくつか応募した理由くらいなら、あるにはありますけども…。「志望」って言葉は重すぎません?だって、志して望むんですよ!いやまぁ、最終面接くらいの段階なら、まだ分かりますけども。ちゃんとお話を重ねてきて、御社のことをよく知った段階なら、まだ分かりますけども…。書類選考の段階で、いきなり志望動機って重すぎません?私だったら、重くて動けなくなっちゃいますよ。それに。いくら志望動機がよくても、感動的であったとしても、落とすときは落とすでしょ。結局。何か空気が合わない、とか言って…。

2. 自己PR

自己PRって何ですか?どういう用語ですか?えっ、いきなり自己をPRしろって…?60秒で?――あまり、日本人らしくない発想ですね。普通日本人って、自分のことをガンガン語ったりしないもんですが。面接になると、急に語れって言うんですね。アイドルのオーディションならまだしも、経理とか総務とかにそんな自己PRスキルが必要なんですかね?営業でも、そこまでは要らんような…。だいたいねぇ。我々凡人は、自分をそんな有能だとか、スゴい人だとか思ってもないし、言えないもんですよ。それに。そんな激しい自分アピール、ウザくないですか?ヘイ御社!俺スゲー奴、採用しよーゼ!なんて。いきなりナンパしてくる、勘違い男みたいでキモくないですか…?そういうの、本当に聞きたいんですか?まぁ、聞きたいのでしたら、聞けばいいでしょうけど…(私は聞きたくないなぁー)。

あとねぇ。自己PRって茶番の極みというか、あまりに形式的すぎません?いかにも(原稿)用意してます!みたいな。だいたい、60秒だか90秒だかで用意した自己PRで、その人の人格や魅力を推し測れるもんなんですかねぇ。だってさ。この手の自己PR、正直ちっとも面白くないし、何かズレていることも多いし…。ヘンに用意してくると、ヘンなことになるのよ。それが自己PR。自己なんてPRしても、事故るだけ。それが自己PR。そう思いません?だいたいさぁ、誰が考えたの?この自己PRという概念。――リクルートかな?どうせ、リクルートあたりじゃないの?あいつら、人を踊らせるのが上手いからさ~。踊らされてるんじゃないの?別に訊きたくないんだったら、訊かなくていいんだよ、自己PR。どうせ、短くてつまんないスピーチにしかならないんだし。もっと別の質問、考えたら…?

3. 空白期間、ブランク

空白期間があるのはおかしいですか?異常ですか?面接のたびに思うんだけど、何でそんなに気にするの?本人が気にしていないことを他人が気にするなんて、何か不思議。いやぁ~、よく訊きますよね。その間、何してたんですか?って。まぁ知りたければ、教えますけど。例えば…、

・家にこもって、ひたすらネット小説を書いてました!
・新薬の治験で、モルモット役として長期間病院に軟禁されてました!
・変な宗教団体に入って、あいまいに勧誘や健康食品(?)の販売をしてました!
・ニューハーフ風俗で女装して、ケツを掘ったり掘られたりしてました!
・何もしてませんでした!

とか。ちなみに、このなかにはいくらか実話も混ざっているのですが、フツーに引かれましたね(まったく…。訊いてきて、その顔はないんじゃないの?)。まぁ、そういうときは訊いてきたヤツが悪い、ということで。

ところで、素朴な疑問なんですが。空白期間を気にする方って、いったい何を気にしてるんでしょうね?――単純に(ブランク的な意味合いで)業務経験が浅いとかなら、まだ分かるんですが。何かまともじゃないとか、人間的におかしいんじゃないかとか、そういう見方をしているフシがありますよね。でも、それってどうなんでしょう…?長い人生、ちょっと寄り道したり、学校や会社の外でやりたいことをやったり…、それくらいはあって当然ではないでしょうか。むしろ健全な営みではないでしょうか。人によっては家庭を大事にしたい、そういう時期もありますよね。

そのように考えれば、多少の空白期間やブランクくらい、ごく普通のことに思えます。ていうか普通です。何で異常者扱いするの?という感じです。ちなみに、海外ではギャップイヤーといって、積極的に空白期間を設ける動きもあるようですね。

www.huffingtonpost.jp

あえて空白をつくって、何かに挑戦する、やりたいことをやる。いいじゃないですか、そういう期間があっても。自分を見つめなおす、いい機会ですよ。まぁもちろん、過ごし方は人それぞれなので。無為に過ごしてしまう可能性もありますけども…(そこは自己責任で)。

あと、そもそもなんですが。組織や学校に属しているだけで何かやっている、属していないだけで何もやっていない、という訳ではありませんからね。ちょっと周りを見渡せば、分かると思いますが。属していても、なーんもやってない人はたくさんいますし。属していなくても、何かやっている人はそれなりにいます。何も、組織や肩書きがないと何もできない、なんてことはないですからね(もちろん、あった方がやりやすいことも多い)。

空白期間も、過ごし方によっては人生を豊かにします。見方によっては、空白期間のない方が人生経験が狭い・偏っている、そういうことだってあり得ます。えっ?あんた、失業保険ももらったことないの?なーんて。ハロワ行くのも楽しいですよ~、人生経験ですよ~(前向きに捉えましょう)。

4. 社会人

社会人って何ですか?会社に就職した人のことですか?つまりは会社員。じゃあ、会社員以外は社会人ではないのでしょうか?――例えば、自営業者やフリーランスはどうなんでしょうか?パートやアルバイトはどうなんでしょうか?主婦・主夫はどうなんでしょうか?子どもは?学生は?退職した高齢者は…?――どうも、よく分かりませんね。皆、この社会の構成員であることには間違いないのですが。この、いわゆる社会人という枠からはハブられがちですよね。何なんでしょうね、社会人って。

まず、働いている・働いていない、という線引きはありそうですが。先ほど挙げた、自営業やフリーランスは働いていますし。パートやアルバイトだって、時間は短いかもしれませんが、働いています。主婦・主夫だって、家事労働という言葉もありますからね。賃金が出ないだけで、ある意味働いています。子どもや学生は勉強が仕事、なんて言ったりもしますね。ここまでくると、働くとは何か、みたいな哲学的な問いにもなってきますね。ただまぁ、何というか。働いている・働いていない、の線引きがあまり有効でないことだけは分かった気がします。それに。たとえ無職であっても、生産はせずとも消費はしていますし。立派な、社会の構成員であることには違いありませんからね。職があろうとなかろうと、社会で役に立っていない人間なんていない訳です。

にもかかわらず、なぜ社会人という妙ちきりんな言葉を使って、人間を線引きしようとするのでしょうか?どうも、今の日本社会は会社員、とりわけ正社員(正規雇用、フルタイムの会社員)か否か、で線引きしたがるフシがあるようですが。その線引き、つまり正社員をわざわざ特別扱いする意味って、いったい何なんでしょうか?――正社員だけ偉いとか、社会における価値が高いとか、上級国民、特権階級とか思ってるんですかね?まさか…、思ってないですよね。だって。正社員でなくとも、よく働き、社会に貢献している人はいっぱいいますし。企業ではなく、地域や家庭で活躍している人もいっぱいいますからね。そういう人をバカにしたり、低く見たりは…、ごく普通の感覚をお持ちの方ならしませんよね。する訳ないですよね。何ですか、社会人って。正社員だけ社会人、そうでない人は社会″外″人ですか?そんな訳ないでしょう!だから、そういう線引きは今すぐ見直していただきたい。社会外人なんて嫌だ!

5. (キャリアや経歴に関して)傷、汚い

何ですか、人の履歴書を見て汚いとか、傷だらけとか。何を考えているんですか?キャリアや経歴なんて、人生そのもの。それを汚いとか、傷だらけとか、グチャグチャだとか。こき下ろすのは、いったいどういうおつもりですか?無神経だとは思わないんですか?あなたは、人(赤の他人)の人生の何をお分かりなんですか?履歴書の表面的、断片的な情報だけで、すべて分かったように人を評する。そのような傲慢な姿勢はいかようにして身に付いたんですか…?

こんなの暴力ですよ、暴力。人格に対する暴力、人生に対する暴力。思い出してくださいよ。あなただって、今までいろんなことがあったんじゃないんですか?例えば、仕事が上手くいかなかったり、出世をしそこねたり、人間関係でひどく悩んだり…。いろいろあったんじゃないですか?そういう困難を乗り越えたり、乗り越えられなかったりして、今のあなたがあるんじゃないんですか…?そういうプロセスを、他人に傷だの汚いだのボロクソに言われて、あなたはどのように感じますか?おそらく、決してよい気分にはならないでしょう。

不思議なんですよ。人はなぜこんなにも残酷になれるのか。人の人間性や人生観を否定し、精神や気力をズタズタに毀損する行為。そんな残酷な行為をなぜ平気で行えるのか。人を選ぶという立場が、何かを狂わせるのだろうか…。そんなふうに、ぐねぐねうにゃうにゃ考えていると、何だか気持ち悪くなってきます。謎は深まっていくばかりで解決しませんし、かる~く吐き気を催すだけです。

ところで。長く1社に勤めるととキレイ、転職が多いと汚い。短期間で離職すると傷、空白期間があっても傷。そもそも、こういった観念はどこから生れてきたのでしょうか?そもそも、キャリアや経歴にキレイも汚いもあるのでしょうか…?

たとえ短期間で離職しても、何かしら経験はあるでしょうし。自分の向き・不向きが分かった、そういうことだってあるでしょう。それは、おのれの人生やキャリアを転換する好機、としても捉えることができます。また、たとえ転職回数が多くても、その分幅広い経験を得られたかもしれませんし。多様なスキルが身に付いたかもしれません。他の業界へ移って視野が拡がった、今の会社で前職の知見を活かせた、そういうことだってあるでしょう。1つの会社だけではできない経験、1つの業種だけでは見えない視野、1つの職種だけでは身に付かないスキルだってあるはずです。ときには、他の会社に飛び移ることだって、重要で有力な選択肢となり得ます。

一方、ずっと同じ会社に勤めていても、やりたい仕事ができない、スキルが身に付かない…、そういうことだってあるでしょう。そういうときに、我慢して同じ環境に居続けることが、その人の人生やキャリアにとって本当に正解なのか。必ずしもそんなことはないと思います。もちろん、安易に会社を辞めろ、転職しろ、などと言うつもりはありませんが。転職で何でも解決する、という訳でもありませんが。それでも現状を変え、新たな経験や活躍の機会を得るチャンスにはなります。転職したら人生が変わった、そんな人たーくさんいますよね。1つの会社にずぅーっと居続けることが幸せ、必ずしもそんなことはないはずです。

以上、これまでの議論を踏まえると。履歴書がキレイとか汚いとか、そういうものはかなりいい加減な、一部の表面的な印象をもとにした評価に過ぎないように思えます。そりゃ、そうですよね。たかが履歴書の数行で、何が分かるんだ?という話ですよね。どんなキャリアであれ経歴であれ、その人なりに得た経験や学び、誇りやプライドがあります。それを、いま会ったばかりの他人が何だ、という話です。

結局は、転職も離職も空白期間も、それを「活かす」ことが大事なのではないでしょうか?何か活かすことができれば、傷だの汚いだの言われる筋合いはありません。実際、本人としては傷とも汚れとも思っていない…、なんてことも多いですよね。それでいいと思います。人からどう言われようが関係ありません。自分が満足するキャリア、人生を歩めればそれでいいんです。あと、採用担当者の皆さん。もうちょっと謙虚になってください。人の人生、そんな簡単に分かるもんじゃありませんよ。

以上、それでは今回はこのへんで…。