ひきこもり科学館

つれづれなるままに、ひきこもり、硯にむかひて

緊張すると、ものの大きさや距離、平衡感覚がおかしくなる?それって「不思議の国のアリス症候群」かも!

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皆さんは、強く緊張したときなどに、ものの大きさや距離、平衡感覚がおかしくなったことはありませんか?おそらく、「あるある!」という人と「何言ってんだ、こいつ」という人に分かれるでしょう。しかし、だからこそ「あるある!」サイドの人に伝えたいのです。それは、気のせいじゃないんやで、ということを。その症状にはちゃんと名前があるんやで、ということを。という訳で、今回はその不思議体験の正体を明かすことにしましょう。それは「不思議の国のアリス症候群」です!…何だかふざけた名前ですが、決してふざけている訳ではありません。それは、まさに「不思議の国のアリス症候群」なのです!

 

① 不思議の国のアリス症候群とは?

不思議の国のアリス症候群とは、知覚された外界のものの大きさや自分の体の大きさが通常とは異なって感じられることを主症状とし、様々な主観的なイメージの変容を引き起こす症候群のことです。この症候群の名前は、『不思議の国のアリス』のエピソードに因んで、1955年にイギリスの精神科医トッドにより名付けられました。

 

不思議の国のアリス症候群の症状には、人によって様々なバリエーションがあります。例えば、次のような症状がみられます。

・目の前のものが大きく見える、小さく見える、あるいは歪んで見える

・目の前のものが遠く見える、近く見える

・自分の身体が大きくなったり、小さくなったりする

・平衡感覚がおかしくなる

・時間の進み方が速くなったり、遅くなったりする

・実際の色とは異なった色に見える

このような症状は、数分で終わることが多いですが、何日も継続することもあります。

 

不思議の国のアリス症候群は、EBウイルスの感染による中枢神経系の炎症が原因とされています。ほとんどの人は、子どものうちにEBウイルスに感染するため、子どものうちに発症します。ただし、大人になると自然に治癒することが多いです。なお、大人になっても症状をもつ人の多くは、偏頭痛をもっています。

 

② 私の場合は…

一言で、不思議の国のアリス症候群といっても、その症状は人によって様々です。そこで、ここからは、かつて私が経験した症状についてお話ししようと思います(何の参考になるのか、は分かりませんが…)。

 

私の場合、それは塾の先生との面談のときに起こりました。何と、教室の床が30°ほど傾いているのです!平らな床の上の、平らなイスに座っているにもかかわらず、です。…おかしい。傾いているはずがないのに。傾いているはずがないのに、傾いている。ついでにいうと、先生の話もろくに耳に入ってこない。まるで、見えないガラス板に遮られているかのようです。うわぁ……。何だか、よく分からないし気持ち悪い。そう感じながら、何とか面談をやり過ごしました。ところが、このような症状は面談が終わってすぐに、ウソのように消えていたのです。何とも不思議なものです。その後も、似たようなシチュエーションになると、何度か同様のことが起こりました。どうも、極度に緊張する場面でそうなるようです。なお、(小児性だったのか)大人になってからは、このような症状は出ていません。

 

③ ひどい場合は、病院へ

不思議の国のアリス症候群といっても、私の場合、症状は一過性のもので、さほど大したものではありませんでした。しかし、人によって症状の内容やその程度には、大きな差があります。そのため、症状によっては病院で診てもらった方がよい場合もあります。もし、日常生活に支障をきたすようなレベルであれば、神経内科や脳神経外科を受診してください。また、この症候群は子どものうちに発症するので、日ごろから、親や保護者が気を配ることが大切です。もし、お子さんがそのような症状を訴えてきた場合、原因を探るためにも、一度病院に連れていった方がよいかもしれません。