ひきこもり科学館

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「副業禁止」の会社を潰すべき3つの理由|そもそも、そんなに人の自由を奪ってもいいのか?

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日本では、副業を禁止している会社が数多くあります。本業に専念しなさい、そう言っている会社が数多くあります。しかし、私は声を大にして言いたいのです。「そんな会社はナンセンスだ!」と。「そんな会社は潰してしまえ~~~!」と。よく会社は、副業禁止規定について「本業に支障をきたすから~(ダメだ)」と言います。確かに、その言い分自体は、全く分からない訳ではありません。しかし、だからと言って、禁止までしてもいいのでしょうか?……いやいや、とんでもないです。いい訳がありません!そこで今回は、今でも当たり前のようにある副業禁止規定の問題点について、改めて考えていきます。

 

① そもそも、そんなに人の自由を奪ってもいいのか?

よく考えると「副業禁止」って、かなり人の自由を奪っていますよね。何せ、会社に「いる」時間はもちろん、「いない」時間まで縛っている訳ですからね(つまり、24時間です)。そう考えると、これはとんでもないことです。少し考えてください。何で、プライベートな時間まで、会社に口出しされなければならないのですか…?プライベートなのだから、何をしたって構わないでしょう。そう、思いませんか?思うでしょう。ちなみに、裁判例でも従業員が就業時間外の時間をどのように過ごすかは、従業員の自由に委ねられているのが原則です。ということは、法的にも「副業禁止」はおかしいのです。会社に、そこまでの権利はないのです。もしかしたら、あなたの上司は「副業したら、クビにするぞ~~~!」と脅してくるかもしれません。しかし、よほどのことでない限り、そんなことはできないのです。

 

(もう少し、法的な話も…)

我が国の労働法では、従業員の兼業に関する規定は特にありません。法律で兼業が禁止されている公務員を除けば、企業における従業員の兼業は禁止されていないのです。また、判例でも従業員の就業時間外の時間の過ごし方は「自由」となっており、従業員の兼業を全面的に禁止することは不合理である、という見方に立っています。ただし、会社の秩序を乱し、労働者による労務の提供に支障をきたすおそれのあるものに限り、兼業の禁止が認められています。例えば、勤務時間中での副業、会社と競合する事業での副業、などがこれに当たります。

 

② 会社は、ちゃんと面倒をみてくれるの?

副業を禁止している会社は、よほど自社に自信があるのでしょうか?社員のこと慮れば、普通はできないはずなのですが…。それはどういうことか、お話ししていきます。まず、「副業禁止」の会社では、社員は収入源を100%会社に依存することになります。この状態で社員が安心して生きるには、この収入源がよほど大きく、安定したものでなければなりません。つまり、会社が徹底的に、社員の面倒をみてくれなければ困る、ということです。定年まで、十分な(=自分とその家族を養っていけるレベルの)給与を保障してくれなければ困る、ということです。しかし、会社にそんなことができるのでしょうか…?「できる」と言うなら、まだいいです。「副業禁止」も、百歩譲って許すことができます。しかし、「できない」と言うのなら、それはダメです。「副業禁止」なんて、到底許すことはできません。だって、そうでしょう。いざという時は、「路頭に迷え」と言っているようなものですから…。ところが、残念なことに、ほとんど全ての会社は「できない」会社なのです。そりゃ、そうですよね。今の時代、定年まで会社が存在しているかさえ、分からないのですから…。ちょっとしたことで給与カットなんて、ザラにあります。にもかかわらず、「副業禁止」とは何を考えているのでしょうか…?(タイタニックみたいに)会社と運命を共にしろ、とでも言うのでしょうか…?そんなバカなこと、あってたまるかーーー!と思います。

 

③ 会社は、社員の力を弱く抑えている

「副業禁止」の会社は、社員に自分で稼ぐ力を持たせないようにしている、と言えます。しかし、これは会社の経営にとって、プラスにはたらくのでしょうか?私には、そうは思えません。なぜなら、「副業禁止」は社員の力を著しく抑制してしまうからです。言ってしまえば、「わざわざ弱い馬を育てている」ようなものだからです。少し考えてください。「自分で稼ぐ力を持たない社員」と「自分で稼ぐ力を持つ社員」、どちらの方が強いと思いますか…?どう考えても、後者ですよね。後者の方が、いろいろスキルやら何やらがあって、役に立ちそうですよね。ということは、後者のタイプが多くいる会社の方が強くなるはずです。だからこそ、社員に副業をやってほしいのです。では、社員の副業は、会社にとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?順に、詳しくみていきましょう。

 

1) 社員が経営者目線を持てる

副業をする、ということは自分で稼ぐ力を持つ、ということでもあります(単なるアルバイトではダメですが)。この自分で稼ぐ力を持つ、という過程では様々な目線(視点)を持つことができます。そのなかでも特に、経営者目線を持てる、というのは大きいです。「世のなかに、どんなニーズがあるのかな」とか「どうしたら、もっと売れるようになるのかな」とか、そういった目線を持てるのです。経営者目線を持った社員は、経営改革につながるような建設的な提案ができるようになります。会社にとって、このような提案は当然ありがたいものです。これらを適切に汲み取っていけば、会社の未来も明るくなっていくはずです。

 

2) 副業の経営資源を活用できる

副業をすると、知識知恵、技術人脈など、様々なものを得ることができます。これらは経営資源として、会社の事業にも大いに役立てることができます。まず、会社に副業で得た経営資源が集まっていくと、会社の多様性はどんどん高まっていきます。すると、今までは思い付かなかったような、様々なことができるようになります。本業では得られなかった副業でのリソースは、事業の多角化にも役立てることができるのです。事業を多角化する能力を持つということは、リスクマネジメントとしても望ましい状態です。もし事業を広げたいなら、なおさら社員の副業は認めるべきです。

 

3) 優秀な人材を集められる

副業を奨励する会社には、優秀な人材が集まります。なぜなら、副業をやりたい人には一定の積極性や視野の広さがあるからです。与えられた仕事では満足しない積極性、自分でビジネスを模索する視野の広さがあるからです。これは、会社で「ほどほどにやっていればいいや」という人にはないものです。ましてや、すでに副業で成果を上げている人となれば、なおさらです(何せ、実際にビジネスを成す能力が証明されているのですから)。下手な東大卒より、MIT卒より、よっぽど優秀なこと間違いナシです。未だに「副業禁止」なんて言っていると、優秀な人はどんどん逃げていきますよ。

 

4) 社員を「食っていかせる」負担感を軽減できる

今も昔も、経営者にとって社員を「食っていかせる」のは大変です。もちろん、業績によっては、それができなくなることもあります。それ自体は、ある程度仕方のないことです(残酷ですが)。会社だって、いつかは消え行く運命(さだめ)ですから…。だからこそ、「会社なんて、いつどうなるのか分からない」と言ってしまうのです。そして、リスクヘッジのためにも「どんどん副業をやれ!やっとけ!」と言ってしまうのです。その方が、少しは気が楽になるとは思いませんか?会社も無理な約束はできない、と分かっている以上、そういう姿勢を取るのも1つの手ではないでしょうか…?

 

このように、社員の副業は会社にとって多くのメリットがあります。どうでしょうか?それでもまだ、「副業禁止」を続けますか?