ひきこもり科学館

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【適性検査】人事・採用担当者へ もっと、ストレス耐性の低い人を採用しなさい!

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採用活動において、適性検査(あるいは性格検査)を利用することは多いですよね。それで、応募者の適性をある程度チェックしよう、という訳です。会社によっては、そこで「ストレス耐性」の低い応募者を足きりするところもあるようですね。しかし、ちょっと待ってください!何で、ストレス耐性が低いからって、切ってしまうのですか?「仕事ができないから」ですか。それとも、「すぐ辞めちゃうから」ですか。確かに、そういった見方はあるかと思います。しかし、それはちょっと偏った見方ではないでしょうか?そして、ストレス耐性の低い人を切り捨てることは、本当に会社の利益になっているのでしょうか?ここで少し、考えてみましょう。

 

① もし、会社がストレス耐性の高い人ばかりだと…?

では、もし会社にストレス耐性の高い人ばかりがいたら、どうなるでしょうか…?結論から言うと、会社が「ブラック企業化」します。なぜなら、会社のなかに、問題点が改善されない体質ができてしまうからです。そもそも、ストレス耐性の高い人というのは、(ストレスに対して)打たれ強い人、あるいは鈍感な人、ということです。こうした人たちは、劣悪な労働環境や労働条件にも適応しやすい、という特性があります。したがって、会社にとっては非常に使い勝手のよい人材といえます(何せ、多少乱暴なことをしても、潰れませんからね)。そして、会社にこうした人たちを集めると、組織はどんどん「マッチョ化」していきます。いわゆる体育会系の、理不尽や根性論のまかり通る組織になっていきます。こうした組織になってしまうと、それはもう大変です。会社は、社員みんなにブンブン乱暴をふるいます。ところが、社員たちはストレス耐性が高いので、それを受け容れてしまうのです!そして、社員たちは部下や同僚にも、同しように乱暴をふるっていきます。こうして、組織全体に乱暴な行いが蔓延してしまうのです。こうした組織では、すでに常識の類が通用しなくなっていますごく当たり前の、物事の善し悪しも判断できなくなっています。そのため、とんでもない労働環境、とんでもない労働条件も「よし」とされてしまうのです。ここでは、(常識が通じないので)仮に問題点を指摘しても、改善されることはありません。何かを訴えても、「お前が悪い」「いいからやれ」と一蹴されるだけです。こうして、会社には問題点が改善されない体質ができあがり、それが「ブラック企業化」につながるのです。ということは、採用においてストレス耐性の高い人を優遇すると、どうなるでしょうか…?答えはカンタン、あなたの会社が「ブラック企業化」します。それは会社にとっても、あなたにとっても、非常に由々しき事態です。

 

② ストレス耐性の低い人のメリットとは?

では、あなたの会社をブラック企業にしないためには、どうすればいいでしょうか…?実は、その答えはカンタンです。もっと、ストレス耐性の低い人を採用すればいいのです。えっ、そんなの困りますって?なぜです…?どうせ、「すぐ辞めちゃうから」とでも言うのですかね。いやぁ~、だとしたらバカですねぇ~。これだから、頭の固い人は手に負えませんよ。発想を転換してください。ストレス耐性の低い人は、(ストレスに対して)打たれ弱い人、敏感な人だといえます。ということは、会社の抱える様々な問題点に対して、いち早く反応する人だともいえます。つまり、ほかの人より「問題検知能力」が高いのです!そう考えれば、活用のしがいがあるような気がしませんか…?そうです。会社の問題点は、こういう人たちの反応をみて、改善していけばいいのです。弱っている人には、何がツラいのか、何が難しいのか、訊き出してください。そして、そのツラい部分、難しい部分に対処してください。そうすれば、今の仕事もいくぶんかラクになるはずです。このように、ストレス耐性の低い人は(活用の仕方しだいで)労働環境や労働条件の改善に役立てられるのです。やりようによっては、あなたの会社をホワイトにすることも可能なのです。だからこそ、あえて、ストレス耐性の低い人を採用しなさい!と言っているのです。それが、会社の問題点を改善することにつながりますよ、と言っているのです(もちろん、やり方しだいですが)。

 

③ ただし、「会社は悪くない」思考ではどうにもならない

先ほどは、あえて、ストレス耐性の低い人を採用するメリットをお話ししました。ところが、このメリットは「会社は悪くない」という思考が支配している限り、活かされることはありません。なぜなら、会社の問題点を社員の問題点として捉えてしまうからです。これでは、会社の膿を出すことなんて到底できません。そもそも、ストレス耐性の低い応募者を足きりする会社は、「会社は悪くない」思考に支配されているのではないでしょうか…?そう考えると、問題はもっと根深いところにある気がしてなりません。

 

それでは、今回はこのへんで。