ひきこもり科学館

高学歴こじらせニートが、日々思い付くまま、あれやこれや書きます。

【企業・学校】組織の多様性を確保するには、採用・選抜方法も多様化しなければならない

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国際化やIT化の進展、個人の嗜好や価値観の多様化など、私たちの生きる世界は目まぐるしく変化しています。こうした変化に対応するため、今、企業や学校において、組織の多様性(ダイバーシティ)を確保することが大きな課題になっています。では、組織の多様性を確保するには、どのような手段をとればいいのでしょうか?考えてみました。

 

◯ 組織の多様性を確保するメリット 

ここで、多様性を確保するメリットについて、いま一度押さえておきましょう。

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まぁ、いろいろありますが、簡単に整理するとこんな感じでしょうか。

・ 多様な視点(見方や考え方、価値観など)を共有できる

→ 視野が広がる

→ 新しい発想が生まれる

・ 多様な能力(知識や知恵、技術など)を共有できる

→ できることが増える

→ 組織が強くなる

・ 組織の能力、魅力が高まる

→ 優秀な人が集まる

 

もう少し具体的に言えば、こんな感じでしょうか。

(企業の場合)

・ 多様な視点を、マーケティングや商品開発、営業に活かすことができる。

・ 多様な能力を活用して、ビジネスの領域を拡げることができる。

・ 市場における競争力、有利性が高まる。

・ さまざまな問題に対応しやすくなる。イノベーションを起こしやすくなる。

・ 働きやすい環境になり、優秀な人材が集まるようになる。

(学校の場合)

・ 学生にとって、多様性に触れること自体が大きな学びになる。

・ 学校で学べることが増える。学生がより高いレベルに成長する。

・ 学校の魅力が高まることで、優秀な学生が集まるようになる。

 

このように、組織の多様性を確保することは、とても大切なことだといえます。ところが、これだけ組織の多様性が求められていながら、なぜか採用・選抜方法は多様化していないのです。これで、どうやって組織を多様化していくつもりなのでしょうか…?

 

◯ 何で、同じ方法で採用・選抜しているの?

日本の場合、学校の入学試験も、企業の採用試験も、ある程度(いや、かなり?)やり方が決まっています。「大体、こうやるもんだ」という、システム、フォーマットが形づくられています。

 

皆さんも、一度振り返ってみてください。まぁ、大体は、こんな感じだったのではないでしょうか。

(学校の入学試験)

・ どこの学校も、おおむね同じような試験内容。

例)大学入試の受験科目は「5教科7科目」。

例)東大に合格する方法も、早稲田に合格する方法も、そんなに変わらない。

・ 選抜方法が、制度によって規格化・標準化されている。

例)学習指導要領、大学入試センター試験

(企業の入社試験)

・ どこの企業も、おおむね同じような試験内容。

例)とりあえず面接をやる。とりあえず志望動機を尋ねる。

例)銀行に合格する方法も、商社に合格する方法も、そんなに変わらない。

・ 採用方法が、制度等によって規格化、標準化されている。

例)新卒一括採用、リクナビ、SPI検査

 

このように、学校にしろ、企業にしろ、見事に同じようなことをしているのです。しかも、それが30年くらい、変わっていなかったりするという…。うーん、飽きてこないのかな…?まぁ、確かに、同じやり方の方がラクだとは思います(考えなくていいですし)。それに、ある程度システム化、フォーマット化した方が、効率的だということもあるでしょうが。

 

しかし、同じやり方では、同じような結果しか出ません。同じやり方では、同じような人しか集まりません…。もし、組織の多様性を確保したいのなら、今までとは違うやり方も必要となってきます。

 

◯ 何で、似かよった人ばかり集めているの?

世のなかには、多様性を求めていながら、なぜか似かよった人ばかり集めているケースが少なくありません。まぁ、先ほど述べたように、(性懲りもなく)同じやり方を続けている、というのもあるでしょうが…。そういう場合、何かやり方が間違っている、ということになります。という訳で、よくありがちな間違いを2つほど、指摘しておきましょう。

 

1) 合議制にすると、無難な人ばかりになりやすい

面接でありがちのが、合議制です。平たく言うと、面接官を1人ではなく、複数人で行うやり方ですね。こういう場合、例えば、直属の上司や他部署の担当者など、本来の担当以外の者が出てくることも多いかと思います。これには、複数人が合否を判断することで採用の精度を高めよう、という意図があるのでしょう。

 

ところが、この方法には1つ、大きな難点があります。それは、(結果的に)無難な人ばかりになりやすい、という点です。では、どうしてそうなるのでしょうか。それは、誰もが反対しない人=無難な人だからです。合議制の場合、個性の強い人や瑕疵のある人(*)ほど、誰かが(合格とすることを)反対する確率が高くなります。そして、反対者が出ると、そういう人を合格させることが難しくなります。そうなると、(意図せずとも)選考に通過するのは無難な人ばかり…、になります。その結果として、同質的な組織が再生産されるのです。あら不思議⁉いつの間にか、多様性とは真逆の方向に進んでいるという…。でも、これ、すごくありがちです。特に、満場一致方式(誰か1人でも反対したら不合格)の場合は、なおさらそうなりやすいです。うーん…。多様性の観点でいえば、個性の強い人や瑕疵のある人ほど、積極的に集めていく必要があるのですが…。どうも、それが難しいようです。

 

*ただし、職務遂行が困難となるような、重大な瑕疵のある者は除外されます。

 

2) 社長の一存も、変なフィルターがかかりやすい

中小企業にありがちな、社長の一存で採否が決まるパターン。あれも、変なフィルターがかかりやすいです。何せ、たった1人ですからね。当然、誰しも、価値判断に偏りはあるでしょうし…。何だかんだ言って、個人的な“好み”を排除するのは難しいですからね。かと言って、(先ほど述べた合議制のように)人数を増やせばいい、というものでもないですが。えー、まぁ、そうですね…。「たまには、部下に任せたら?」ということでしょうかね。

 

◯ 多様化したいなら、採用・選抜方法も多様化しなければならない

組織に多様性がほしい…、もし本気でそう思うなら、採用・選抜方法も多様化せねばなりません。

 

・筆記試験でも、体力試験でも、くじ引きでも、何でもいい

まずは、皆さんのひどく凝り固まった頭を、解きほぐすことから始めましょう。ちょっと、まっさらな気持ちになって考えてください。そもそも、誰が、面接をして採用しなければならない、と言いましたか?誰が、志望動機を尋ねなければならない、と言いましたか…?実は、誰も言っていないのです。誰の指示でもないのです。つまり、皆さんが、何となくやっているに過ぎないのです。したがって、特に「そうしなければならない」根拠などないのです。

 

もっと、頭を柔らかくして考えましょう。別に、1つの方法にこだわる必要なんてありません。面接をしてもいい、筆記試験をしてもいい、体力試験をしてもいい、くじ引きをしてもいいのです。別に、何をしたっていいのです。何なら、飲み会で気の合う人に声をかけてみる、というのもアリかもしれません。とにかく、今までとは違ったやり方でやってみることです。そうすれば、今までとは違ったタイプの人に出会えるかもしれません。それこそが、多様性への第一歩となるのではないでしょうか。

 

・多様性の観点では、推薦・AO入試も悪くはない

学校教育の分野では、しばしば推薦・AO入試に対する批判がなされています。要は、「何で、学力のない奴が入ってくるんだ!」という話ですね。まぁ、確かに、お気持ちは分かります。しかし、多様性の観点で言えば、推薦・AO入試も決して悪いものではないのです。なぜかと言うと、推薦・AO入試の合格者には、学力とは別の実力があるからです。例えば、面接で発揮される「コミュニケーション力」や「プレゼン力」、小論文で発揮される「論理性」や「文章力」などが、そうです。

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このように、推薦・AO入試には、学力とは異なる能力を持つ者を選抜するという点において、学校やクラスに多様性をもたらす効果があるといえます。学生にとっては、多様性に触れること自体が学びになりますし、幅の広い見方・考え方が身に付くようにもなります。これは、教育的にはすっごくいいことです。同様に、多様性の観点で言えば、スポーツ推薦や留学生入試も悪くはないと思います。まぁ、一般入試とは難易度に格差が出るかもしれませんが(それとこれとは別問題、ということで…)。

 

・究極の方法は「くじ引き」

そもそも多様性とは、何でも受け入れることです。“何でも受け入れる”ということは、フィルターをかける必要がないということです。もしかしたら、あなたの組織が多様性に乏しいのは、変にフィルターをかけ過ぎているからかもしれません。先述の合議制の例のように、過剰なフィルターはかえって多様性を削ぐことにもなります。

 

という訳で、変にフィルターをかけない、究極の採用・選抜方法をお伝えしましょう。それは「くじ引き」です。ガラガラ、ポンです。ある意味、これが最も多様性を担保する手段だといえます。なぜかって…?それは、無作為抽出だからです。“無作為”に抽出するからです。この無作為性(あるいは、作為性の排除)こそがポイントなのです。今までのやり方では、目利きを誤って、優秀な人や面白い人を排除している可能性がありました。たとえ意図せずとも、変なフィルターをかけて排除している可能性がありました。だから、いっそのこと、そういう可能性を全部取っ払ってしまうのです。要は、余計なフィルターを外してみよう、という考えです。それこそが、「くじ引き」の意図なのです。 「くじ引き」によって、今までなぜか入ってこなかったタイプの人が、入ってくるかもしれません。思いがけず、こんなのがいたか!という人が、入ってくるかもしれません。何せ、どんな人が入ってくるか、分からないのですから。特に、明らかに同質性の高い組織では、この手段は効果てきめんになるはずです。定員の半分でいいので、やってみてください。たぶん、面白いことになります。あぁ。もちろん、明らかに問題のある人が入ってくるリスクもありますがね…。とはいえ、普段のやり方でも、そういう人が入ってきているなら同じことです。まずは、自分の目を疑うところから、始めてみてはいかがでしょうか?

実際、こんな試みもあるようです。

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◯ 採用・選抜の具体的な方法論

ここからは、具体的な方法論について考えてみます。

 

(企業の入社試験)

まずは、企業の採用から。次のような方法が考えられます。

 

・筆記試験のみ

面接などは一切せず、筆記試験のみで合否を判定します。見た目やコミュニケーション力より、頭のよさを求める会社におすすめです。新卒学生なら、大学の成績表や卒業論文によって評価する手もあります。

 

・くじ引きのみ

面接も筆記試験も一切せず、くじ引きのみで合否を判定します。とにかく多様性を求める会社、採用コストをかけなくない会社におすすめです。どんな奴が入ってくるか分からないドキドキ感をお楽しみください。

 

・異業種枠

同業者ではなく、あえて異業種の者を採用する枠をつくります。これによって、自社にはない、異業種の経営資源(知識や技術、人脈など)を取り込むことができます。将来、事業を多角化したい会社におすすめです。

 

・経営者枠(自営業、フリーランスなど)

経営者、元経営者の採用枠をつくります。自ら、ビジネスを回してきた経験を活かしてもらいます。本気で経営改革をしたい会社、ダメ社長の首をすげ替えたい会社におすすめです。

 

・クリエイター枠(芸術家、作家など)

芸術家や作家など、クリエイターの採用枠をつくります。 本気で多様性を求める会社、クリエイティビティを重視する会社におすすめです。

 

・外国人枠

外国人の採用枠をつくります。語学力や母国の知識・情報をビジネスに活かしてもらいます。海外で事業展開したい会社、海外の顧客が多い会社におすすめです。

 

・院卒枠

院卒の採用枠をつくります。研究能力や専門性をビジネスに活かしてもらいます。根性よりも、頭のよさを求める会社におすすめです。

 

・中卒枠

中卒の採用枠をつくって、若くから戦力になってもらいます。学歴よりも、若さや体力を求める会社におすすめです。

 

・ニート枠

周囲に流されて就職しなかった人には、面白い人、味わい深い人が多くいます。あえて、ニートの採用枠をつくって、そういう人との出会いを求めてみてはいかがでしょうか?

 

(学校の入学試験)

次は、学校の入試について。次のような方法が考えられます。

 

・少科目入試(1~2科目)

学科試験を1~2科目のみによって、合否を判定します。特定の分野に、ものすごく強い学生を集めます。

 

・アイデアコンテスト入試

入試でアイデアコンテストを実施します。例えば、「まちの本屋さんが生き残るための方法」「学校で、もっと教えた方がいいこと」などお題を出して、作文を書いてもらいます。(受験勉強的な)暗記能力ではなく、発想力や論理性に優れた学生を集めます。

 

・創作活動入試

美大ではありませんが、入試で創作活動をしてもらいます。そうですねー。絵でも描いてもらうか、書でも書いてもらうか、花でも生けてもらいます。創造性や美的感覚に優れた学生を集めます(評価の仕方がすごく難しそうですが…)。

 

・地域外枠

「県外」など、地元以外からの入学枠をつくります。さまざまな地域の学生と交流することで、学生たちの視野が広がります。

 

・社会人枠

社会人経験者の入学枠をつくります。大学や大学院では、普通にやっていますね。若い学生にとっては、すごく刺激になるのでいいと思います。

 

・留学生・帰国子女枠

・スポーツ枠

このあたりは、説明するまでもないですね。

 

もちろん、考えなしに何でもやればいい、というものではないです。具体的な方法論については、「今後、◯◯がしたい」「こういう人がほしい」といった、ビジョンやターゲットを決めた上で、考えるべきものでしょう。とはいえ、(思考停止して)同じやり方を続けていても、仕方ないよね、ということもあって…。何か、試しにやってみれば?とも思うのです。それでは、今回はこのへんで。

 

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