ひきこもり科学館

高学歴こじらせニートが、日々思い付くまま、あれやこれや書きます。

【開業】学習塾の立地・出店戦略を徹底解説! ~立地・物件選びで失敗しないために

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学習塾といえば、起業・開業の定番の1つですが、そう簡単なものではありません。上手くいく塾もあれば、それ以上に上手くいかない塾もあります。経営戦略はいろいろあるかと思いますが、その入り口の部分、立地・出店戦略は特に重要です。学習塾は、ここで間違えると大変なことになります。取り返しのつかないことになります(一度出店したら、動かせませんからね)。そのくらい、立地・物件選びは大事なのです。では、学習塾の立地・出店戦略のポイントとは、一体どのようなものなのでしょうか。物件編・立地編の2つに分けて、順にみていきましょう。

【物件編】

まずは、物件編です。ここからは、物件選びの重要ポイントを解説します。
 

◯ 家賃はいくらか

当然ながら、物件の賃料はすっごく重要なポイントです。賃料は減らしようのない固定費ですから、極めて慎重な判断が求められます。家賃が高いと、その分、生徒数や授業料を上げないとペイできません(*)。とはいえ、いくら家賃が安くても、需要のない地域に出店すると大変なことになります。さて、どうバランスをとるか、というところで実力が問われるでしょう。

*駅前立地の大きなリスクは、ズバリここにあります。つまり、損益分岐点が上がる訳ですね。

◯ 広さはどのくらいか

出店にあたっては、物件の広さも重要なポイントです。これで、生徒数など、大体のキャパシティーが決まるからです。一般に、個別指導塾では20坪以上は必要だとされています。当然、集団指導塾ではもっと、自習室を付けるともっと…、ということになります。また、ビジネスが軌道に乗ったときのことを考えると、やや余裕を持たせておいた方がいいかと思います(物件への追加投資はキツいので…)。もちろん、家賃との兼ね合いもありますが。安易に狭い物件を選ぶと、後悔することがあります。

◯ その他、物件選びのポイント

そのほか、物件選びのポイントは以下の通りです。

・駐輪スペースを確保できるか 

立派な屋根付きの駐輪場はいりません。ただ、自転車を停めておけるスペースくらいはあった方がいいです。

・お車での送迎がしやすいか

遠くから通う場合や夜遅くの場合、保護者によるお車での送迎もあります。そのため、物件選びにおいては、お車での送迎も考慮する必要があります。物件の前の道路状況をよくチェックください。道幅はどのくらいありますか?交通量はどのくらいありますか…?車を一時停止しても、なるべく迷惑にならないようなところがいいです。もちろん、自前の駐車場があれば、もっといいですが。送迎を考えると、ちょっと路肩があるか・ないか、が大きな差になったりします。

・看板を設置できるか

学習塾だって、パン屋やラーメン屋と同じ店舗ビジネスですから、外から見て、パッと分かる看板の1つや2つは欲しいものです。そのため、物件に看板を設置できるかどうか、は必ず確認しておく必要があります。特に、建物の2階以上のフロアなど、目立ちにくい物件の場合は、看板の存在が極めて重要となります(ないと、分からなくなります)。ポップで明るい看板を掛けて、塾の存在をしっかりアピールしましょう。

 

【立地編】

続いては、立地編です。ここからは、立地選びの重要ポイントを解説します。

◯ 生徒にとって通いやすいか(生徒を確保しやすいか)

言うまでもなく、学習塾は生徒がいなければ成り立ちません。そのため、学習塾の立地において、生徒にとって通いやすいかどうか、は非常に大きなポイントといえます。普通、通いにくいところに、わざわざ行く生徒なんかいませんからね(よほど、塾に魅力があれば別かもしれませんが)。したがって、多くの生徒にとって通いやすい場所を選ぶ必要があります。


・地域の人口、学校の位置および生徒数を調べる

出店場所を決めるにあたっては、あらかじめ地域をリサーチしておくことが肝要です。まずは、地域の人口と、学校の位置および生徒数を把握しましょう。国勢調査の小地域集計、学校や自治体のホームページを見れば、大体は分かります。ついでに、地域の所得水準も調べておくといいかもしれません(*)。その上で、塾の出店に適する場所を選ぶのです。

*日本で、地域別の所得水準を示したデータはまずないので、何か、所得水準と関連のあるデータから推計する必要があります。例えば、国勢調査であれば、住居の種類・面積、職業、学歴等のデータを利用することができるでしょう。

 

・複数の学校から通いやすいか

学習塾の出店場所は、なるべく複数の学校(特に、中学校)から通いやすい場所を選びましょう。具体的な条件としては、

  •  学校の近くや通学路沿いなど、子どもの流れがあること
  •  通学圏が鉄道や河川で分断されていないこと

といったところでしょうか。あとは、(地域として)ガラが悪くないこと、騒がしすぎないこと、といったところですかね(*)。ちなみに、なぜ“複数”かというと、単純に集客を増やすためでもありますが、それ以上に減らさないためでもあります。それはどういうことかというと、「噂リスク」を回避するためです。学習塾はもともと、噂や口コミにすっごく左右される商売です。ある学校・ある学年で塾の悪い噂が広まると、その後ぱったりと生徒が来なくなる…、なんてこともある訳です。こうした「噂リスク」に保険をかけるためにも、複数の学校から集客しておくことは大切だといえます。

*例えば、風俗街や飲み屋街、ギャンブル場の近くは避けるべきでしょう。

◯ 講師にとっても通いやすいか(講師も確保しやすいか)

学習塾は、生徒がいないと成り立ちませんが、講師もいないと成り立ちません。そのため、(生徒だけでなく)講師にとっても通いやすいかどうか、しっかり検討しておく必要があります。一般に、講師にとって通いやすい地域は、駅や大学の周辺でしょう。学生バイトが中心の場合は、やはり近くに大学があった方がいいですね(ていうか、ないと厳しいです)。あと、交通費くらいは負担した方がいいですね(多少、惜しくても…)。そのくらいはしないと、集まるものも集まらなくなってしまいます…。

◯ 塾の特性や客層によって、望ましい立地は変わる!

学習塾と一言でいっても、塾の特性や客層によって望ましい立地は変わってきます。例えば、「中学受験向け」の塾など、エリート層向けの塾ではどうでしょうか?―こういうタイプは、遠くからも集客できて、授業料も高くできるので、駅前立地に適しているといえます。一方、「補習向け」の塾など、非エリート層向けの塾ではどうでしょうか?―こういうタイプは、近くから集客できて、授業料も抑えられるので、住宅地や学校付近の立地に適しているといえます。このように、塾の特性や客層によって、望ましい立地は大きく変わるのです。

【広域集客型の塾】

・高校生向け、中学受験向けの塾
・エリート層(学力水準高め、世帯所得高めの層)向けの塾

→ 駅前立地に適する(遠くからも通える、授業料も高くできる)

【地域密着型の塾】

・小中学生向け、補習向けの塾
・非エリート層(学力水準低め、世帯所得低めの層)向けの塾

→ 住宅地、学校付近の立地に適する(すぐ近くから通える、授業料を抑えられる)

 

◯ 近くに競合塾はあるか

今どき、学習塾なんて、あちらこちらにあります。当然、近くに同じような塾があれば、パイの取り合いにもなります。したがって、近くに競合塾があるかどうか、は必ずチェックする必要があります。特に、近くに大規模な塾や「地域一番塾」(地域で影響力のある、信頼の厚い塾)があると、生徒の確保は難しくなります。要注意です。今どき、ライバルが全くいない地域は稀ですが、それでも、なるべく少ない地域を探した方がいいでしょう。ただし、近くにライバルがいない地域は、単に需要がないだけ、ということもあります(むしろ、そのケースが多いです)。当然、生徒数が見込めるか、通学しやすい場所か、といったチェックは怠らないようにしましょう(その上でOKならば、穴場だと思われます)。なお、近くに塾があっても、塾の特性や客層によっては競合しないこともあります。例えば、「高校生向け」の塾と「小中学生向け」の塾なら、競合しませんよね。「受験向け」の塾と「補習向け」の塾でも…、競合しませんよね。このように、本当にライバルなのか、塾の特性や客層で見分けることも大切です。とにかく、敵を知るのは大事ですので…。しっかり、やっていきましょう。ちなみに、塾の生徒数を推計するには、塾の前の自転車の数をカウントするといいです(大体、その2~3倍は生徒がいます)。

 

・駅前立地か郊外立地か

学習塾の立地における悩みどころとして、駅前立地か郊外立地か、というものがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが正しいとはいえませんが、立地戦略上、重要なポイントであることは確かといえます。まず、それぞれのメリット・デメリットを簡単に整理すると、次のようになります。

【駅前立地のメリット・デメリット】

・メリット:集客力が高い
・デメリット:競合が多い、家賃が高い

【郊外立地のメリット・デメリット】

・メリット:家賃が安い、競合が少ない
・デメリット:集客力が低い

見事に対照的ですね(だから、悩ましいのです)。もちろん競争力に自信があるなら、駅前に飛びこむのもアリですし、郊外のニッチな商圏で「地域ナンバー1」を目指すのもアリです。駅前でも、塾の特性や客層によっては競合が少ない場合もありますし、郊外でも、学校や大きな住宅団地の近くなど、集客力の高い地域はあります。このあたりはケースバイケースですが、なるべくメリットが大きく、デメリットが小さくなるように出店するのが望ましいでしょう。

 

以上、長々と書いてきました。立地・出店戦略のポイントは掴めましたか?それでは、皆さまのビジネスの成功を祈りつつ、今回はこのへんで。